ガイドとEバイクで巡る
しまなみ海道サイクリングツアー

「海と空と、甘い非日常」
女子による女子のための、しまなみスイーツサイクリング。

ソラ(22)は大学3年生。やりたいこともはっきりとせず焦っていたところ、追い討ちをかけるように学校もバイトも休みになった。そんな時、年下だけどバイトの先輩でもあるウミちゃん(20)は、めずらしく落ち込んでいた。「イタリアに行けなくなっちゃった」ジェラート職人になるために行くと決めていたイタリア留学が取りやめとなってしまったのだ。そんな彼女を励まそうと、ある一枚の写真に惹きつけられて、一緒に旅に出ることにした。

「イタリアに行こう。広島の」

めずらしく落ち込んでいるウミちゃんに、そうLINEを送った。「?」キャラクターが首を傾げているスタンプが送られてきた。ウミちゃんは名前の通りおおらかで、太陽の光をキラキラ反射させるような明るさを持つ、バイト先の友達だ。ジェラート屋をやりたい!とイタリア留学を決めていたが、この状況で取りやめになってしまったのだ。いつもは(年上のくせに)励まされている私が、今度は彼女を励ます番だ。インスタでぴったりの場所を調べていたら、あった。広島県の尾道から行ける「瀬戸田」だ。

POINT!

尾道は、駅のある「おのみちエリア」ばかりが注目されがちですが、東西約22km、南北約35kmの細長い町。しまなみ海道沿線の向島、因島、生口島(瀬戸田)やその周囲の島々で構成されています。サイクリングだけでなく、ビーチやマリンスポーツ、キャンプ施設なども充実し、温暖な気候を生かした「国産レモン」発祥の地として広く知られています。

「La vita è bella!」
人生は美しい。はず!

「ジェラートが、海と空に映えてた場所、ってだけで?」ウミちゃんは、笑いながらヘルメットのバックルを閉めている。私たちは今、尾道駅前にある「しまなみジャパン」で自転車を借りている。「それもあるけど。ほら、ウミちゃんの好きなあのイタリア映画、自転車も出てくるし」映画に出てくるレトロなデザインとはかけ離れた、最新のe-bike(電動サポート付き自転車)が用意される。
「全然違うじゃん!」「これから向かうところはね、坂も多いサイクルコースなの。私たちのようなインドア派のビギナーが楽しむには、こういうサポートがないと」e-bikeに加え、ウミちゃんを励ます旅にふさわしいさらに強い味方の登場だ。
「今日のガイドのピーターです。よろしくお願いします!」ピーターさんは尾道在住でガイド歴は3年。尾道を舞台にした映画「東京物語」の昭和の雰囲気が好きになり日本に移住した。「大好きなこの街の雰囲気を、自分が住んでいた外国の方にもぜひ紹介したい」と今はガイドさんをやっている。「イタリア出身ですか!?」ウミちゃんが前のめりに聞く。
「アメリカですね」とピーターさん。「ですよね〜」それでもウミちゃんは楽しそうだ。世界中のサイクリストを魅了する「しまなみ海道」に漕ぎ出す準備はできた。格好はカジュアルだし、普段はママチャリだし、体力に自信があるわけでもない。けれど、ガイドさんのサポートとe-bikeがあれば安心だ。行きたいコースや見たいものも伝えてある。ウミちゃんもきっと最後には、彼女の好きな映画のタイトルを叫んでくれることだろう。
「La vita è bella!」人生は美しい、ってね。

POINT!

広島〜愛媛間を横断する「しまなみ海道」は全長約70km、瀬戸内海の様々な景色が楽しめる「世界で最も素晴らしい7大サイクリングコース」の1つにも選ばれました。ガイドさん付きのプランにすれば、安心のサイクリングはもちろん、地元の方ならではの厳選スポットでの撮影やランチなどを楽しむことができます!

「どこへ行くの?」
「どこへでも!」

旅の始まりは、尾道から向島へのフェリーの移動。地元の方だろうか、「どこから来たの?」「どこへいくの?」と聞かれる。「自転車で、ジェラートを食べに行くんです!」人生がスゴロクだとすると「一回休み」のコマにいて行き先の決まっていない私たちだけれど、風が明るい気持ちにさせてくれるから「どこへでも!」と言いたくなる。距離を取りながらでも、こうして直接触れ合えることがありがたい。尾道駅前からたった数分の移動だけなのに、到着すると一気に旅の感じが増し、対岸の尾道が映画のカットのように映る。「では、気をつけて、ゆっくり行きましょう!」

しまなみ海道の目印でもある自転車用の青いラインが空と海と並行に伸びている。静かな住宅街を抜けると海が開け、みかん農家さんの直売所が現れる。「実家を思い出すな〜」ウミちゃんの実家は農家だ。そこで作っている果物や野菜を生かしたジェラート屋になりたい。それが、ウミちゃんがイタリア行きを決めていた理由だ。「少し止まりましょう。写真、とりますか?」向島大橋が見えるところでピーターさんが自転車を止めた。お茶で喉を潤す。新幹線で飲んだ時とは、全然違う味がした。

POINT!

瀬戸内の島々に住む人々の生活を支えるフェリーはサイクリングにも大活躍。コースによって、いろいろな航路を選ぶことができるので、ぜひ事前にサイクルスポットと合わせチェックして、自分にぴったりのコースを!

ドルチェ 瀬戸田本店
〒722-2416 尾道市瀬戸田町林20-8 ※年中無休
TEL 0845-26-4046
URL http://www.setoda-dolce.com/

広島のイタリアで、
自由の女神に出会う。

向島から因島を通って生口島へ渡る。大きな橋を二つ渡り、そこそこの距離を走ってきたけれどe-bikeとピーターさんのサポートのおかげで疲労感ではなく充実感に包まれていた。「フレッシュなビタミンで、エネルギー補給をしましょう!」ついに第一の目的地、ジェラート店「ドルチェ 瀬戸田本店」に到着だ。このあたりでは温暖な気候を生かした柑橘類などの栽培が盛んで、瀬戸田レモン、尾道イチジク、デコみかんなど地元のものを生かしたジェラートがカラフルなパレットのように並んでいる。ウミちゃんのテンションが一気に上がる。地産の物を生かしていること、作り立てであること、すべてがウミちゃんの理想のイメージだ。瀬戸内の空にジェラートを掲げて写真を撮るウミちゃんは、自由の女神のように見える。一体どこの国か分からないけど、とにかく自由だ。「爽やで甘ーい!!」
海風を感じながら堪能したジェラートの果汁は体中に染みわたるようで、なんだか心までツヤツヤになった気がした。

POINT!

国産レモンの生産日本一の生口島は加工業も盛んで、通称「レモンの島」と呼ばれるほど。
「ドルチェ」の原料となる果汁は旬の一番美味しい時期に搾ったされたものを急速冷凍、本場イタリア製のマシンで作りたてをお届けしています!

イタリアからの石と、
イタリアへの意志。

「カラフルで、『映える』写真が撮れますよ!」お次はそこからすぐの距離にある耕三寺。ジェラートはもちろん、実はこちらもメインだった。カラフルなお寺の方も気になるけれど、ウミちゃんに見せたかったのはその奥にある「未来心の丘」だった。境内を通り抜け、空の方へと階段を登っていく。天国への階段があるとしたらこんな感じかもしれない。すると、青い空に祈る手のようにそびえる白い石の山が現れる。「ウミちゃん、ここはね。未来心の丘って言って、イタリアで活躍する彫刻家さんが制作をしているお庭で、この大理石はぜーんぶイタリアから運んできてるんだって!どれだけの時間がかかったんだろうね?私たちの『一回休み』くらい、どーってことない気がしてくるよね!」一面に広がる真っ白な非日常の風景。ウミちゃんが、感慨深そうに石を撫でている。

ピーターさんが、海と空とウミとソラの写真を撮ってくれた。笑顔になれたこと、子供のように遊べたこと、何よりウミちゃんが「私、イタリア諦めない。今日本でできることを全部やるよ!」と言ったこと。それだけで「The Hill Of Hope」という別名にふさわしい。私たちはしばし風の音、鳥のさえずりに耳を澄ませ、遠くに続くイタリアの海に思いを馳せた。未来心の丘を後にし、そのふもとにある島ごころSETODAでレモンケーキを食べる。女子の自転車旅にエネルギーチャージは何度も必要だ。練り込まれたレモンジャムの香りも、優しい甘みも、日本一の産地で食べるとひとしおだった。

耕三寺/未来心の丘
〒722-2411 尾道市瀬戸田町瀬戸田553-2 ※年中無休
TEL 0845-27-0800
URL http://www.kousanji.or.jp/
島ごころSETODA(瀬戸田本店)
〒722-2413 尾道市瀬戸田町沢209-32 ※年中無休
TEL 0845-27-0353
URL https://www.patisserie-okumoto.com/

POINT!

「未来心の丘」は、広さ5,000平方メートルにもおよぶ白い大理石の庭園。ここに使用されている大理石のすべては世界を舞台に活躍されている彫刻家 杭谷一東(くえたにいっとう) 氏のアトリエがあるイタリア・カッラーラで採掘し、コンテナ船で運んできています。総重量はなんと約3,000t!隣接のカフェでも同様に、イタリアを感じることができます。

人生が甘くないのなら、
せめて自分にくらいは。

しまなみドルチェ、耕三寺を過ぎ生口島を半周ちょっとすると、現れるのが多々羅大橋だ。橋にたどり着くまでの坂道も、e-bikeなのでなんのその、ちょうどいい達成感を与えてくれる。坂を上がり切る前に、自転車を止め橋を眺める。橋桁を支えるたくさんのケーブルが、天からの光のように見えた。さっき見た未来心の丘の「光明の塔」のように合わせた手を二人で天に伸ばしてみた。「何に手を合わせてるんだろうね」私が笑う。「なんかもう、全部だよね」ウミちゃんも笑う。坂を上がりきると橋はひたすらに平らで、愛媛県側にまっすぐ伸びた約1.5kmの道を少し興奮気味に漕いだ。時々通る車の音、風の音、自分の呼吸以外、不思議な静けさが耳を包む。海と空の間を走る非日常に、心まで洗われていくようだった。

POINT!

多々羅大橋の主塔の下には「多々羅鳴き龍」という看板とともに拍子木が用意されています。これは主塔の大きな音が反響しあい、龍が鳴いているように感じられる「鳴き龍」という現象を体験してもらうため。自転車歩行者道を利用する人だけにできる貴重な経験です!

多々羅大橋を折り返しゴールに向かう。息を弾ませながら登ってきた坂を、今度は降る番だ。ウミちゃんは、彼女が大好きなイタリア映画のワンシーンのように坂をくだる。人生もウミちゃんも美しい。

瀬戸田港に到着する。サイクリング、ジェラート、レモン。極めつけは本場の大理石のアートまでついてくるんだから、我ながら「広島にあるイタリアだった」と言っても過言ではないだろう。「尾道はもちろん、広島の色々なところで土地のスイーツは食べられますよ」リサーチも勉強のうち、と言わんばかりにピーターさんは笑って、3人で写真を撮った。
尾道に向かうフェリーでウミちゃんが「ソラちゃん、ありがとう」と言ってくれた。「ゆっくりだったり、止まったりだからこそ、見えてくるものがあるよね」しまなみ海道のサイクリングがそのことを教えてくれた。私たちのバイト先であるイタリアンのお店がまた再開したら、ホールじゃなくてドルチェ担当に志願するつもりだ、と言っていた。やりたいことなんて特にないと思っていた自分は、こうして好きな人が喜ぶことなら、時間を忘れて考えて、思いもよらない行動力を発揮できちゃうことに気がついた。まさか聖地でサイクリングをするなんて。初めてのことで、少しだけ勇気がいるような挑戦。これからも続く日常の中にも溢れているささやかなこと。そんなことにチャレンジしただけでも、自分にいいねを押してあげようと思った。人生は甘くない?ならばせめて、自分くらいは自分に甘く、ね。海を感じながら食べたジェラートの、優しい甘さを思い出した。

※本記事では、出演者の健康確認を行った上で、撮影のため一時的にマスクを外しています。

ツアーの詳細 / お問い合わせ先

問い合わせ先
一般社団法人しまなみジャパン
住所
〒722-0036 尾道市東御所町11-9 JA 尾道市駅前ビル1 階
TEL
0848-22-4073
営業時間
8:30〜17:30
定休日
年末年始
対象年齢
16歳以上、身長150cm以上(e-bike)
事前予約
要予約
※予約は当日の7 日前の17:30 まで
※レンタサイクルのみもあり(予約不要)
※ツアーは要相談

特にオススメの時期

4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月

感染症への安全対策について マークの説明はこちら

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