江田島で、
隠れ家ビーチを二人占め

「サンセットビーチの非日常」
水陸・昼夜!海を楽しみつくす二人旅。

旅行好きのヨシノ(38)はトラベルコーディネーター。対照的に家が大好きなパートナー、デザイナーのフミヤ(36)と一緒になる前は、しょっちゅう一人で海外旅行に行っていた。「夏はとにかく海外の海に行きたい!」というアクティブなヨシノ。焦がれる気持ちを高校時代の同級生に伝えたところ広島の海をおすすめされ、瀬戸内海の太陽の下へとフミヤを引っ張り出すことにした。

瀬戸内の島に誘われて。

「瀬戸内海にかかる大きな橋をね、クルーザーからワインを飲みながら眺めて。海外にいるみたいな気分だったよ。牡蠣も海老も美味しかったな」同級生が投稿していた写真を見て連絡したら返事が来た。昔はよく二人で海外旅行にも行ったものだ。「ヨシノは2ヶ月と日本にいられないものね」とコメントするあたり、私のことをよく分かっている。

ふと目を横にやる。パートナーのフミヤがリビングのソファでラブストーリーの映画を見ながら涙ぐんでいる。心のデトックスだろうか。いいことだ。しかしデザイナーという仕事柄、座っての仕事も多く、こもりっぱなしでは体が心配だ。
年下の彼をリードするのは私の使命。今こそトラベルコーディネーターの手腕を発揮する時だ。澄んで穏やかな海。健康的なアクティビティと食事…。「フミヤ、広島の島へ行こう!」そうして私たちは広島市内から一番近い島、「江田島」へと向かった。

フェリーでGO。

新幹線で広島駅に到着後、事前に手配していたレンタカーをピックアップし宇品へと向かう。今回の旅はフミヤの好きな「船ざんまい」でプランを組んだ。なので、まずはフェリーだ。宇品へは電車やバスでも行くことができるが、今回の旅の自由度を考えて車を選択した。

30分ほどで「広島港宇品旅客ターミナル」に到着する。ガラス張りの立派な建物に空が映っており、白い絵筆を走らせたような雲が旅の気分を盛り上げてくれる。その向こうに、これから乗り込む「瀬戸内シーライン」が見える。
他の船の入港を告げる広島弁のアナウンス。「嬉しいなあ。フェリー、好きなんだよなあ!」久しぶりの外出に、フミヤもはしゃいでいる。券売機でチケットを購入したら車ごとフェリーに乗りこみ、デッキへと上がった。江田島三高港への約40分の船旅だ。宇品をゆっくりと離れると、潮風を感じることができた。

隠れ家ビーチとご対面。

温暖で穏やかな瀬戸内海に浮かぶ江田島は「広島に一番近い島」と言われている。都市部の近くにありながら豊かな自然に囲まれていて、牡蠣をはじめとする海の幸や、地中海に似た気候を生かしたオリーブなどが名産品らしい。調べて初めて知った私にとってはこの島も「秘島」と言っていいだろう。

牡蠣養殖のための筏や、瀬戸内海の島々がおりなす「多島美(たとうび)」といった広島らしい風景を眺めているうちに、あっという間に三高港に到着。そこから、島ののどかな道に車を走らせ、今日の宿「Uminos Spa & Resort」へ向かう。 紫色のサンセットが一番のおすすめポイントで、夕暮れ時には、刻一刻と変わる空の色と、自由自在に形を変える雲が目の前に広がるらしい。そんな普段見ることのできない絶景は、ここ最近の私たちに何より必要なことに思えた。お昼前の晴れ渡った空にも、「美しいサンセットを見せてください!」とお願いをする。
パソコンのモニターではなくステアリングに向かうフミヤは、なんだか新鮮に映った。横顔越しに見える瀬戸内海、遠い沖で白い線をひく船がまるでおもちゃのようだった。

南国のような木が並ぶ道に入るとUminos Spa & Resortが見えてきた。「わぁ!」二人で声をあげる。穏やかな海が広がる白いビーチに、パラソルやベンチがゆとりを持って点在している。サンセットタイムが今回の旅のちょうど折り返しの時間に当たるだろうか?今日明日と、ここを拠点にたっぷり島を満喫するんだ。

心満たされる風景にたくさん触れ、お腹も空いてきた。美しい土地と美味しいものはセットだからね。おっちょこちょいな私ではあるけれど、旅のプランは完璧だ。
ホテルから車で少し行ったところに、輝くクルーザーが浮かんでいた。「今日のランチは…海の上です!」プランを知らないフミヤに発表する。早くからの運転で少しだけ疲れていたフミヤの顔が、海に照らされるかのようにパァッと明るくなった。

海の上の贅沢ランチ。

クルーザーの横には、引き上げられた蛸壺が並んでいた。「江田島はタコも名物なんですよ」「タコ、も?」フミヤがスタッフの方に聞き返す。「はい、ランチでご用意していますアナゴと並んで、ということですね」そう、海の上のランチはUminos Spa & Resort特製「アナゴ重弁当」だ。江田島はアナゴも有名で、Uminos Spa & Resortにはアナゴづくしの特別会席もあるそうだ。

二人だけの貸切では贅沢すぎるクルーザーで出発する。船づくしのプランに喜ぶフミヤの笑顔の写真を撮って、広島の海をお勧めしてくれた親友に「ありがとう!」とメッセージを送った。クルーザーだからこそ行ける「大黒神島」という無人島の横に停めてもらう。他の船が通らないから波がない。「ごはんを食べたら、後ろから飛び込んでそのまま海水浴、という方もいらっしゃいますよ!」日焼けしたスタッフの方が白い歯を見せながら教えてくれた。

穏やかな島陰で、アナゴ重を広げる。「おぉ!」贅沢に敷き詰められたアナゴに二人して声を上げた。香ばしい焼きアナゴ、タレのしみたご飯。「おぉ、おぉ…!」とシンプルな感想が口をつく。副菜も美味しい。景色と相まって、一気に胸とお腹が満たされた。「こういう場所で仕事できたらいいなぁ」お腹をさすりながらフミヤが漏らしていた。

島に戻ってチェックインを済ませる。全室オーシャンビューの部屋に到着するなり窓を開け、海を堪能する。風と波の音、どちらもが心地よく、ずっとこうしていたいという気持ちにさせてくれた。ランチで元気が出たので、続けて館内を探索する。4階にある浴場も海に面しており、全面ガラス張りだ。「海に浸かっているような感覚になれそうだね」「夕日もきっと綺麗だろうね~」普段はシャワー派の二人も、ここぞとばかりに浴槽に想いを馳せた。

荷ほどきもほどほどに、ビーチに出た。SUPほか、海の色々なアクティビティを楽しんでいる家族連れや二人組。正面に見えるのは、有名な観光地の宮島。そして周防大島だ。「多島美」とは言い得て妙、なんてぴったりな文字列だろうと感心した。それらを楽しむためのハンモック、ベンチ、BBQコンロ…。どれもが子供だけでなく、大人のあそび心を満たしてくれる、サンセット演出のための小道具に見えた。その舞台となる隠れ家ビーチで、私たちはしばらく子供に戻って遊び、サンセットを待った。

平和を感じるサンセット。

「海の家って、なんであんなに食欲が湧いたんだろうね」懐かしい思い出が頭をよぎる。カレー、ラーメン、フランクフルト、かき氷…今思えば、海の家は子供にとっての天国だった。そんな海の家をイメージしたというガレージの前のウッドデッキで、私たちは少し早めの夕食を取ることにしていた。

海を目の前に、国産牛や地のものを中心とした海鮮食材をグリルスタイルで豪快にいただく。普段は食べる係専門のフミヤが、名誉挽回とばかりに焼く係を担当してくれた。海と炭の香りが鼻をくすぐる。サンセットを待つにはこれ以上ないシチュエーションだ。潮風の中、じっくりと火が通った牛肉を塩だけ付けて豪快に一口。柔らかで、噛むほどに旨味が溢れ出てきた。海を眺めながら食べる海の恵みも、なんて贅沢なのだろう。細めた目に、徐々に色を変え始めた空が美しく映った。

食後は、いよいよお待ちかねのサンセットタイムだ。聞いていた通り、刻一刻と空が色を変えていく。目だけでなく、全身で。風を、音を、瞬間のすべてを感じる。いや、包まれる、と言った方がぴったりくる。ビーチだけでなく、世界を二人で貸し切っているような気持ちになった。

「平和だねえ」

世の中で起こっているたくさんのことが、まるで嘘のように感じられた。でも、きっとこんな穏やかな気持ちこそが日常に向き合う力になるんだろう、と我に返った時に思えた。

サンセットに包まれた後は、花火をした。黄昏時は「誰そ彼時」。確認しづらくなった表情を、花火が照らしてくれた。見慣れない表情にちょっと照れる。文字通り、燃え尽きる花の美しさを久々に味わった。一瞬一瞬を大切にしよう。いつも思ってはいるけれど、忘れがちなことを再確認した。

すっかりあたりが暗くなったので、素晴らしい1日をバーラウンジで締めくくることにした。半屋外のため、外気が心地よい。大きいスピーカーからゆったりとした音楽が流れている。今日1日の出来事と、サンセットの素晴らしさをスタッフの方と話したところ、今の気分にぴったりなドリンクを作ってくれた。赤とオレンジがグラスの中で燃えているように見えるのが江田島サンライズ。そして、名産品でもあるレモンを使った江田島レモネード。甘みと酸味の絶妙なバランスが爽やかに喉で弾ける。どちらも、火照った体を中から冷やしてくれた。

後ろでは、空気で膨らませた超大型スクリーンに煌々と動画が映し出されていた。ゲームもできるらしい。晩酌とテレビの好きなフミヤにとっては、日常を、非日常に持ち出した形だろう。家でしている生活を、極上の屋外で満喫している。一番の贅沢って、きっとこういうことなのだろう。画面から目を離し、何秒か目をつむって深呼吸して目を開けると、星が増えて見えた。

波の上に立つ!

夜の海に浸かるように、オーシャンビューのお風呂で体を労った後は、二人ともあっという間に深い眠りに落ちていた。おかげで、翌朝目覚めた体も気持ちも空のようにスッキリしている。快晴だ。「今日の船はね、アクティブにいくよ!」フミヤにプランを告げる。「今から、ウェイクサーフィンをします!」

ウェイクサーフィンとは、ボートの曳き波を利用して、操作性の高い専用サーフボードで波乗りをするアメリカ発祥のウォータースポーツだ。子供から大人までみんなで楽しめることから、レジャーとしても本格スポーツとしても、幅広い層から人気を得ているらしい。二人とも未経験だが、最初はボードの上に立ちあがれるように、その次は波に乗り続けられるように…と、スタッフの方が丁寧にサポートしてくれる、というので申し込んだ。

着替えをして、ホテルから歩いて行ける集合場所の桟橋に到着する。「セブ島みたいだ」と思う青さの海にレーシングカーのようなスポーティーなデザインの船が停まっていた。が、今回ばかりはフミヤも手放しで喜んではいない。ラッシュガードの上からも確認できる少しふっくらとしたお腹周りを撫でながら、不安そうに半笑いをしている。すると、世界で活躍するプロウェイクサーファーであり、今日の先生でもあるPUB Miyamotoさんが現れた。「今日はよろしくお願いします!」サングラスと笑顔が眩しい!(トム・クルーズみたい…!)私は思った。このミッションも、ポッシブルでありますように!とも。

最初は陸上にて水中でのコツを丁寧に教えてもらう。ボードの起こし方、立ち方、波の乗り方…。「頭で考えているうちはできないんだよな」今でも仲間とたまにバスケットボールをしているフミヤは、もともと体育会系だ。火がついたのだろう。いつもの末っ子気質は顔を引っ込めて、負けず嫌いが全面的に出た、真剣な顔で聞き入っている。

ついに海に出る。船に乗り込むPUBさんがスマートフォンからオーディオを操作する。低音の効いたダンスミュージックがスピーカーから流れ出すと、ドッドッドッド、と心臓の鼓動と低音がリンクした。「波を作りますね」スピードをあげると、船の後に波が生まれた。

フミヤが先に海に出ることになった。「ボートと人が近いので、顔が全部見えますからね!!」リラックスさせようとしてくれているが、まだ表情は硬い。「しっかり踵でボードを起こすイメージね!」1回目、失敗。そして、2回目、立った!私も身震いして、船の上で立ち上がりそうになった。

繰り返しトライするフミヤ。その度にスタッフさんが船を回してくれる。「立つ感じが分かってきてますね!」「中腰にしゃがむような感じ!」ロープを引っ張るとボードが走ってしまうので、我慢して我慢して、手をまっすぐ伸ばしておくのがコツらしい。PUBさんの指導にも熱が入る。さらにアップテンポの音楽を選択し、ボリュームを上げる。「引いたら絶対失敗するけぇ!」トム・クルーズのような笑顔から広島弁。さすが広島生まれ広島育ち!「楽しい!」フミヤが海の上から親指を立てる。

「サーフィンやってた、って人より乗れてるよ!!」「ナイスライディング!」結局20本以上トライしただろうか。最後は波に乗りながらピースサインを決めるフミヤ。私は全然立てずに海水をたくさん飲んだだけだったけれど、フミヤの新たな一面を見られただけでも、よかったと思えた。

多島美を眼前にして、整う。

心地よい疲れと興奮に包まれたまま、ビーチを歩き、テントサウナに向かう。あんなにハードなアクティビティを間近で見ていたが、こうして離れたビーチから眺めると相変わらず瀬戸内海は穏やかで、多島美は私たちを見守ってくれているかのように思えた。テントサウナで汗を流す。痺れた脳に血が巡るのを感じる。「もう限界だ…!」サウナーであるフミヤにおサ法を習って、一緒に外に出る。水風呂はない。代わりに私たちを受け止めてくれるのは、目の前に広がる瀬戸内海だ。頭からダイブして、二日間みっちり遊んでもらったお礼を告げた。「ありがとう!!」

天然の水風呂から上がり、空を眺め外気浴をしている時だった。隣でフミヤがボソッとつぶやいた。
「ここでワーケーションできたら絶対いいアイデア出てきそうだよなぁ…」
私も釣られて返してしまう。
「もう一度サンセット見たいし、連泊しちゃおっか…?」二人して、“整った”。

閉じたまぶたの奥が光に包まれている。今にも頭に輪っかが浮かび、翼が生えて飛んでいけそうな気分だ。この天国の、さらに上空から海と多島美のサンセットを眺めたら、さぞかし気持ちがいいだろうなと思った。

POINT!

Uminos Spa & Resortへのアクセスは、車がなくても大丈夫!広島駅から公共交通機関を利用して広島港宇品旅客ターミナルまで来ていただければ、Uminos Spa & Resortまでクルーザーで送ってもらうことができます。また、江田島の島内散策も楽しみたい方は、江田島三高港とUminos Spa & Resort間の送迎バスや、島内にあるカーシェアサービスのご利用がオススメです!利用については条件もありますので、詳しくはUminos Spa & Resortまでお問い合わせください!

※本記事では、出演者の健康確認を行った上で、撮影のため一時的にマスクを外しています。

ツアーの詳細 / お問い合わせ先

問い合わせ先
Uminos Spa & Resort
住所
〒737-2313 江田島市沖美町是永1433-2
TEL
0823-49-1515
営業時間
7:00~23:00(フロント受付時間)
定休日
なし
対象年齢
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